ゼロから始めるBVE5(11)~停車場構内の配線 1 (配線図の作成)~

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やっと上越線基点の高崎駅に辿り着きました。
どこもそうだとは思いますが、ターミナル駅は線路を敷くのは大変です。
高崎駅は北側には留置線こそないものの、最も西側の北部入換線からは最も東側の9番線まで、
直に本線を横断できるなど、ご存知のとおり複雑な配線になっています。
9011a.jpg


BVE2/4では25m長の直線上(曲線では弦)に基準線が存在していたため、
曲線の周辺ではXZ平面(地面)で座標が存在しない箇所もありましたが、
BVE5では設定した線形どおりに基準線も設定されるようになり、他線設定も随分楽になりました。

1m毎に他線の設定ができるのも利点に一つですが、
逆に言い換えれば1m毎に細かく設定しなければならない箇所もあるということで、
従来の「※数値設定→上書き保存→F5→※へ戻る」の繰り返しではキリがなく、効率も落ちると考えられます。


そこでBVE5の利点を最大限利用すべく、フリーの2次元汎用CADソフトである「Jw_cad」を使ってみました。

  Jw_cadのダウンロード → http://www.jwcad.net/(Jw_cadのページ)

たまたまJw_cadを使う機会があったついでではありますが、全くの初めての状態から2週間程度弄くれば
高崎駅北側の配線図が書ける程度の操作は身に付きます。

ただ業務用としても使えるほどのソフトなのでテキスト等がない状態からはじめるのは少々難しいでしょうか。
実際に自分自身もネット上の情報見ながらの操作では全く進歩しなかったので、
少なくとも図書館から解説本を借りてきたほうが良いかと思います。
私は日経BPから出ている『ドリルで学ぶJw_cad―高校生からのCAD入門書』を参考にしましたが、
高校生からの~と謳っているだけあって分かりやすい本でした。

当然ながらCADソフトは他にも沢山ありますので、ご自身にあったものをお使いになるのが良いかと思います。
実際にJw_cadは市販のものにないクロックメニューが使いづらいという声も聞かれました。


製図に関してですが、以下の制限で描かなければいけません。
・自線の線形設定は線上で1m単位のみ(小数不可・BVE側の都合)
・自線の緩和曲線はBVE本体に表示される半径の弧の集合体(サイン半波長曲線非対応・Jw_cad側の都合)
  →小数点以下非表示なので(6)~緩和曲線 2~で作ったExcelファイルを使用
・他線の緩和曲線はスプライン曲線による近似曲線(サイン半波長曲線及び3次放物線非対応・Jw_cad側の都合)→後述
・分岐器は実物の規格に近しいものを使用 →(2)~レイアウト~参照
......とこんな具合でしょうか。

これらを念頭に製図していきます。


(1)自線の線形
前述のように基準軸になるので特に丁寧に作る必要があります。
高崎駅6番線からの進路では大小7つの曲線を通って真っ直ぐな下り本線へ繋がります。(下図白柱の立つ線)
9011b.jpg
緩和曲線が存在するので自線だけは先にmapファイルに書いてしまいました

この際に意識したのは停車場外の本線を真っ直ぐ延伸すると停車場内のどこに位置するかということです。
一番最初に出した画像は上越上り線の旧伊勢崎街道踏切あたりから撮ったものですが、
上り線のほぼ延長線上には2番線に停車中の115系の姿が見えます。
つまり2番線と上越上り線がほぼ一直線になるのが最終目標となります。
2番線と6番線の線路間隔は連絡通路の40cm四方のタイルを数えて求めました。

これを念頭に曲線標を参考にデータを入力します。しかし......
9011c.jpg

上の曲線など、標がない曲線も存在します。
また標のとおりに値を入れても、実際のところ線形は完全に再現されるわけではない
(サイン半波長曲線⇔3次放物線の問題を別にして)ので、調整する必要性が出てきます。
高崎駅でも数値どおりに値を入れたら進行方向左側へと逸れていきました。

このあたりはBVE5の機能を生かして1m毎にBCCやTCCの位置やRを変え試行錯誤です。
結果はご覧のとおり。
9011d.jpg


この線形を製図します。(Jw_cadの操作に関しての詳細は今回書きませんので疑問点があればコメントを)
9011e.jpg
距離は上図中、横方向の線で10mごとに実線で描いてあります。
これは自線に対して垂直(曲線では接線に対して垂直)な線です。
複線コマンド、距離コマンド、延伸コマンド、鉛直コマンドあたりを使用して引いていきます。

●間の細かい破線は緩和曲線に該当するところですが、半径指定の接円コマンドで接円を書いた後、
距離コマンドで1mを指定、余分な箇所を削除、の流れで描いていきます。
出口側では接円コマンドで外接円が描けないので、一旦接線を引いた後に接円を描いていきます。

●区間より上の荒い破線は円曲線で、半径指定の接円コマンドのみで描けます。

(2)他線の線形
こちらはある程度融通が利くので、分岐器の終始端、分岐器の番数、大よその線形を意識しながら描くことになります。
曲線の終始端が距離軸とずれて小数になっても問題はないです。
特に気をつけるべきところはといえば自線が自線と他線の傾きが異なる箇所と分岐器末端の調整でしょうか。
9011f.jpg
上図は自線(赤)が転線する箇所ですが、自線と一緒に灰色の距離の線も傾いているのが分かります。
このため例えば黄線の75.160KPに点を打ちたい場合、自線(赤)上での75.159KPの灰色線との交点に打たなければなりません。

9011g.jpg
上図は分岐器末端の角度調整に挟んだ短い曲線の箇所です。上から2番目の○はBVEでは
9011h.jpg
このようになります。
実は結構な場所で小曲線を挟んで再現しているのですが、実際の線路を見てみると
9011i.jpg
実際も曲がっていて、こんな箇所は実は多いのです。
飯田保線区さんでも緩和曲線がデタラメだ、という記事がありましたが、
円曲線長は車体長以上という規則なんてどこ吹く風な例は幹線の上越線ですらありますので、
おそらくは日本中あちこちで見られることでしょう。

ちなみに高崎駅、ほかにもデタラメな所がありまして、
9011j.jpg
ECCもETCもR720も全て合ってないような曲線に見えるのですが、皆さんにはどう見えますか?
個人的には昔はこのとおりで線路があったんだろうな、と推測しています。

というのも過去の配線図を掲載している「懐かしい駅の風景~線路配線図とともに」さんに
1958年当時の図面があるのですが、このときは4番線の北側に上り列車が4番線に入るための渡り線がなかったことが読み取れます。
故に現在のこの渡り線は1958年以降に挿入されたもので、内外方分岐器の設置を避けたと考えると
曲線標はそのままに線形だけ変わった、とも考えられるわけです。

当時の写真とかも見当たりませんので真実は分かりませんが、こういったことを考えるのも楽しいものです。

↓できた配線図  Jw_cadデータはこちら→ takasaki.jww
9011n.gif

他線の曲線に緩和曲線のあるものもありますが、これに関しては次回に。
これも計算で出そうとすると大変ですが、CADだと簡単です。

9011m.jpg

9011k.jpg
                          ↓
9011l.jpg
こうして見ても印象が随分と違いますね

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