ゼロから始めるBVE5(6)~緩和曲線 2~

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緩和曲線の2回目は自線が緩和曲線を伴って直線の他線から分岐する場合を考えます。

まずはイメージしやすくするために、緩和曲線の形を見てみましょう。
9006a.gif
青線が緩和曲線なんですが、縦横軸の縮尺が同じだと分かりにくいですね......
半径の変化を数字で見ると下のようになります。

100,000以上(291,872)
32,490
11,739
6,022
3,670
2,479
1,795
1,366
1,079
878
733
623
540
474
422
380
346
318
294
275
259
246
234
225
218
212
207
203
201
200(200.1を四捨五入)
200

上のサンプルを考えて計算すると頭が痛くなるので、下のように簡略化して考えてみます。
9006b.gif
の扇形部が緩和曲線、の扇形部が円曲線とします。
このとき、緩和曲線の半径をr、円曲線の半径をRとすると、
各扇部の弧の長さは1mなので、扇形の角度θは1/r[rad](曲率に同じ)です。

1つ目の扇形(青)は分岐前の直線と接し、
2つ目の扇形(赤)は1m進んだところで1つ目の扇形が一部となる円(青)に内接、
3つめの扇形(緑)はさらに1m進んだところで2つ目の扇形が一部となる円(赤)に内接と順に接していき、最後に円曲線の扇形(紫)が最後の緩和曲線が一部となる円(橙)に内接します。

原点を中心とする円は (x,y)=(Rcosθ,Rsinθ) で表せ、
これを点(a,b)を中心に平行移動するには (x,y)=(Rcosθ+a,Rsinθ+b) とできるから
これを駆使していけば各緩和曲線を式にすることができます。

これにより各緩和曲線の中心点と内接点の2点が求まるので両者を結んだ直線の式も求められます。
分岐する他線との距離は、この直線が分岐前の直線(図の太線)と交わる点と、内接点との距離Dとなります。

......書いていてもよく分からなくなるのですが、
読んでいる皆さんは一層に何のこっちゃ?と思われているはずなので、Excelの計算ファイルをアップしました。
◆ 計算ファイルDL ◆ (Ver.0.2 2012.7.29)

緩和曲線計算表(自線分岐)、というワークシートを開きます。
簡単に使い方ですが、数字を入れるのは下図の赤枠の5箇所です。
BTC:緩和曲線開始点(距離)[m]
TCL1:手前側緩和曲線長[m]
TCL2:奥側緩和曲線長[m](通常はTCL1=TCL2)
R:円曲線半径[m]
CCL:円曲線長[m]
分岐前間隔:分岐前の他線との間隔[m](Track[trackKey].Position(x, y)のxの値)
有効桁数:Track[trackKey].Position(x, y)のxを小数第何位まで使うか
9006c.gif
Mapファイルへは橙枠の数字を使います。
これまでは5mレールストラクチャを使ってきたので、
Track[trackKey].Position(x, y)は5mごとに設定する必要があります。
(当然ながら1mレールを使えば1mごとに設定)

TCL35、R1600、BTCが85391m地点、分岐前の他線との間隔が-7.999mの場合は
90390,Track[trackKey].Position(-7.9990, 0);
90395,Track[trackKey].Position(-7.9990, 0);
90400,Track[trackKey].Position(-7.9983, 0);
90405,Track[trackKey].Position(-7.9952, 0);
と5mごとの値を書いていけばいいわけです。
(他線の設定については後日扱うの予定です)

これをBVE5を起動してみてみると綺麗な直線の他線ができました。(上図とは別数値)
9006d.jpg
わーいパチパチパチ!

次回は他線路の設定をした後、分岐器と緩和曲線の複合の場合を考えたいと思います。

コメント(1)

はじめまして。
とても参考になる記事でただただ感激です。

質問が1つあるのですが、ある路線(在来線)で既知の曲線のR・TCL・CLをそのままBVE5の路線データとして入力すると、緩和曲線の違い(sin半波長or3次)で線形が変わってくるという認識でよろしいのでしょうか?
  (投稿者: marimo | 2012年08月04日 01:04)
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初めまして。
参考にしている工学書(次回で紹介)にsin半波長と3次放物線の比較が載っているのですが、それによればRが同じ曲線に取り付くにはsin半波長の方が3次放物線より3割程度長くなっていますので、ご質問のとおりの認識で構わないかと思います。
ただ乗り心地改善の目的で、3次放物線からsin半波長に変更している例が在来線でもあるようですので、どちらで敷設してあるのか判断するのは素人では不可能に近いのかと思います。
  (投稿者: k_40s2 | 2012年08月04日 06:27)
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返信ありがとうございます。

sin半波長はカントの距離当たりの変化量の関係で長いんですよね。

在来線でそのように改良してあるのは初耳です。BVE5となって実物の値そのまま使える日が来るかと思いましたが、やはり微調整は必要なのですね(^^;
  (投稿者: marimo | 2012年08月07日 02:25)
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実地調査で拾ってきた値でデータ化をはじめていますが、その値を入れただけでは再現不可能な線形もありますので、こうした箇所はどうしても調整が必要になってしまいます。
こうしたところも書いていければと思っていますが、肝心の数式が手元にないので、暫くは時間がかかりそうです。
  (投稿者: k_40s2 | 2012年08月07日 22:00)

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